英語を『話す』ではなく『学ぶ』に特化したシェアハウスとは。
「外国人のいるシェアハウスで国際交流をしたい!」と思う方も多いのではないでしょうか?
国際交流型シェアハウスと聞くと、「外国人の入居者が多くハウス内でさまざまな言語が飛び交っている」というシェアハウスをイメージするかもしれませんが、シェアハウスの運営会社によって ”国際交流” の概念や方法が異なります。
そこで今回は ”国内留学” をコンセプトにしたシェアハウス「シェアハウス本厚木」をご紹介します。
シェアハウス本厚木は、入居者同士の国際交流だけでなく、ECCの英会話教室をハウス内で受けられる「英語を学ぶ」に特化したシェアハウスです。
国内留学を体験できるシェアハウスとはどういうものなのでしょうか。ECCとの連携を実現した背景や国内留学に込める思いを、運営会社(株式会社創建)の八木さんとハウス管理員の森田さんにお伺いしました。
目次
数年間英会話教室に通い続けていたのに、全く話せるようになれなかった
ーまず、 ”国内留学” をコンセプトにしたシェアハウスを始めようと思ったきっかけについて聞かせてください。国際交流のできるシェアハウスは他にもあると思うのですが、国内留学とは具体的にどういうものなのでしょうか?
八木さん:少し遡るのですが、弊社の創業者吉村(代表取締役会長)が20代の頃に英語を話せるようになりたいと思ったことが最初のきっかけになります。仕事自体は建築の仕事をしていましたが、これからはグローバルな社会になって英語が求められる時代になるということで、自分自身の活躍の場を広げるためにも英語を話せるようになりたいと思ったみたいなんです。
ですが、多忙であった為留学などには行けず、働きながら5、6年くらい英会話教室に通っていたみたいです。
ただ、20代の大半を使ったものの結果的には話せるようになれなかったんですよ。やっぱり英語って難しいものですね(笑)
ーそうですね(笑)週2、3回の授業だけでは英語の習得にも限界がありますよね。
八木さん:そうなんですよ。それからしばらく経って吉村の次男が大学に入学して1年間留学に行ったのですが、1年後に帰ってきたときには英語がペラペラだったらしいんです。
不思議に思った吉村は、「英語が随分上達したな。」と聞いたみたいなんですよ。次男は、「朝から晩まで英語しか通じなくて、英語が話せなかったら逆に生きていけない。」と答えたみたいなんですが、実際に彼が英語を話している様子を見てそのときに初めて”環境”が大事なんだということを感じたようです。
ー確かに、環境が一番変化を生んでくれますよね。
八木さん:はい。ますます英語が求められる時代になり、英語を話せるようになりたいと思う方のニーズも強くなっているとはいえ、海外留学となると時間やコスト面の問題もあり、容易に誰でも留学に行くことができないのが現実だと思うんです。
それであれば、日本にいながら時間的あるいはコスト的な負担を極力抑えた状態で英語を学べる環境を作れないだろうかと考えました。
仕事や学校など日常生活をしながらも、自宅で英語を学べる環境が作れれば、日本にいるけど海外留学をしているような環境を作ることができるのではないかと思い、”国内留学”というコンセプトにしたんです。
ーなるほど。シェアハウスを始めたいというよりも、国内で英語を学べる環境を提供したいという思いがきっかけだったんですね。
八木さん:そうですね。弊社は住宅会社として住まいを提供している会社なので、ビジネス的にも住まいと英語を学べる環境づくりの両輪で進めたというのはありますね。
ビジネス的な国際交流ではなく、あくまでも心地よい住まいを提供したい
ー外国人の入居者が多い国際交流系シェアハウスって多いと思うのですが、なぜ入居者同士での交流ではなく、ハウス内で英会話を受けられるシェアハウスにしたのですか?
八木さん:若者を支援できる国内留学という環境を作れないかと企画立案を進めていた際に、市場調査ということで国際交流のできるシェアハウスを何件か見に行ったんです。実際見てみると、たしかに外国人の多くいらっしゃるシェアハウスの方が英語を話す機会は沢山あるんですけど、外国人の入居者の方が日本人の方に英語を教えるということはそう簡単にうまくは行かないという現実を見ました。
やはり外国人の方も入居者の一人なので、日本人の方に英語で話さないといけないという義務はないですし、一人の入居者として住んでいるだけなので、英語を教えるとなるとビジネス的なことになってしまうんですよね。
だからやっぱり”教える”という環境がないと、英語をレベルアップさせることは難しいという結論をだしたんです。これがハウス内で英会話を受けられるシェアハウスにした経緯になります。
ー確かに日本人の方は英語を話したいと思って入居しますが、同じように外国人の方も日本語を話したくてシェアハウスを選ばれる方も多くいますもんね。
八木さん:そうなんですよ。あくまでも弊社としては、入居される方にプライベートとしての心地よい住まいを提供したいので、英語で話さなければいけないというような義務を押し付けたくないと思いました。
ーハウス内で英会話が受けられるということなのですが、誰もが一度は聞いたことのある英会話教室であるECCとの連携はどのように実現したのですか?
八木さん:これがすごくたまたまなのですが、吉村がECCの当時の副社長さんとゴルフ仲間だったんです。(笑)当時はビジネス的な関係は一切なかったのですが、英語の学べるシェアハウスを作りたいという話しをした時に、「じゃあ、やってみるか!」ということで実現しました。
ECCさんは学校や企業には講師の派遣をしていますが、シェアハウスなどの住宅への派遣はしていなかったんです。弊社とECCさんとの専売契約になっているので、家でECCの英会話が受けられるのは弊社のシェアハウスだけなんですよね。
ーゴルフ仲間だったんですね!建築と教育という接点の少ない業界同士なので不思議ですね。(笑)
入居者の5割以上が英会話の授業に参加
ー入居者の方の何割がECCの授業を受けられていますか?
森田さん:だいたい半数の方が受講されていますね。ここに住まわれている方の半数が英会話を目的に入居されているので、英会話の利用率は高いと思います。
残りの半数の方は、英会話が目的というよりも立地や利便性を気に入っていただいて入居いただいてますね。
ーじゃあ割と毎日授業が行われているんですね!
森田さん:そうですね。月曜日から土曜日まで毎日授業が行われています。
ーほぼ毎日授業が受けられるのは嬉しいですね!英語が学べるシェアハウスということなのですが、実際にハウス内での国際交流というのはあるのでしょうか?
森田さん:コロナの影響で外国人が日本に入ってこられないという状況が長く続いたので、実際に今は外国籍の方が3名しかいないんですよね。
ただ、英語に興味を持っている人が多く入居されているので、3名の方を囲んで交流している姿は最近よく見ますね!
ーいいですね!60名規模の大型シェアハウスだと思うのですが、ハウス内での交流イベント等はあるんですか?
森田さん:管理会社主催で月に一回交流会は開いていたんですけど、コロナの影響で中断している状況ですね。もう少し様子をみてまた再開する予定ではいます。
シェアハウスという生活スタイルで時間的にも余裕を持ってもらい、 英会話や交流を楽しんでほしい
ーコロナも少しずつ落ち着いてきていると思うのですが、今後どのようなシェアハウスにしていきたいですか?
八木さん:弊社の場合は、掃除やゴミ出しなど家事負担もこちらでかなり引き取らせてもらっているので、入居者の方には経済面だけでなく時間的にも余裕を持っていただいて、空いた時間で英会話や他の人との交流を楽しんでもらいたいですね。ですので、住んでいただいた方にとっていい思い出になるようなシェアハウスにしていきたいです。
実際に住んでいただいた方からは、「本当に楽しかった」「住んでよかった」という声を多く頂いているので、将来的には次のシェアハウスというのも考えています!
ーいいですね!家事負担がないだけでも意外と時間的な余裕が生まれますよね。
八木さん:そうですね。あと弊社の場合は、家具家電もすべて揃っていますので経済的にも余裕をもってご入居いただけるかなと思います。
ー一人暮らしをする時って初期費用がかかる上に、家具家電も揃えないといけないので経済的な負担って大きいですよね。
八木さん:そうなんですよ。普通の賃貸物件で住み始めるってなると家電を揃えるのも大変なので、良いものを買うってなかなかできないじゃないですか?なので、シェアハウスに住んでいるからこそ良いものを使ってほしいと思ってうちは家電も良いものを入れているんです。
ー確かに、バルミューダのトースターは一人暮らしだと手が出しにくいですね。(笑)他に物件でこだわったポイントはありますか?
八木さん:調味料とかも弊社で揃えています。なので、本当にカバン一つで引っ越していただけますね!あとは空間にもこだわりましたね。今の若い方に好んでもらえるように、インテリアデザイナーと考えておしゃれな空間になるように作りました。(笑)
ーおしゃれな空間にいるだけでテンション上がりますもんね!(笑)今は若い方の入居者が多いと思いますが、今後どのような方たちに入居してもらいたいですか?
森田さん:国内留学をコンセプトにしている物件なので、英語を伸ばしたいと思っている方ももちろんそうですが、それ以外にもいろんな方と接する機会がある場所なので、他の方とのコミュニケーションを楽しみたいという方に入居していただきたいですね。
ー色んな人との出会いの場となるシェアハウスになるといいですね!本日は貴重なお話をありがとうございました。